冨山房

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漢文大系

全22巻

(各巻索引付)

普及版

(各巻分売)

菊判・総クロース・上製

定価   (各巻本体価格 9,223円+税)

〔1巻・10巻・13巻・20巻は本体価格  9,500円〕

◇国初以来、わが国の思想・文学に大いなる影響を及ぼした中国古典は、永遠の心の故郷である。政治・教育・倫理・文学の軌範となった漢学の精髄は、すべて本書に収められている。

◇近代の碩学諸家が、東洋思想の詩文の宝玉として選択した典籍38書目、全22巻を複製し、かつ新しく全巻にわたる詳細 な総語句索引を編纂して、繙読の便をはかった。

◇各巻には詳しい解題を付した。巻頭には担当の諸先生の解題、毎巻末には、長澤規矩也博士の、現代の利用者に対する閲読の指針たる新解説が施されている。

◇各書に用いた底本は、和漢両学会の最高の研究書が選ばれている。特に四書における安井息軒の未刊稿本(論語は飫肥藩主の蔵版)の再版、また左伝・韓非子・戦国策・管子における 近世諸家の研究成果を再認して採用、先学の業績を顕彰した。

◇典籍の訓点は、各巻担当の諸先生が、伝統の訓点を尊重しながらも、明治の教育的統一をもくろみ、あるいは『句読・反点・添仮名・読方法』に依拠して訓点を施し、近代読法の規準として信頼できる。

◇編集においては、新古の注解を併載し、欄外に諸研究の成果を簡明に、かな交じり文で注釈し、必要に応じて注解の補注をも行うなど、厳密な校訂とともに、定評あるゆえんである。

◇古典の正しい読解への基本的、正統的径路をたどること、すなわち原文によって何人も容易に、みずから読み、みずから解釈し、古典の真価をみずから把握し得られるであろう。

第1巻 大学説  大学章句 中庸説 中庸章句  論語集説  孟子定本

もうし(じ)ていほん

だい がく せつ

ちゅうよう せつ

ろん ご しゅうせつ

ISBN

978-572-00063-7

1046ページ

定価

(本体価格9500円+税)

漢学の基礎となる古書は四書五経および孝教である。四書とは大学・中庸・論語・孟子の四部の古書をいい、大学・中庸は礼記(巻17に収めた)中の二篇、これを漢学の祖である孔子・孟子の言行録である論語・孟子に配したのは、宋代以後の漢学者の伝統で、わが国でも、江戸時代の漢学者が、漢学を修める者に、入門の書としてこれを課したものである。したがって、四書の注釈書は和漢に非常にい多いが、宋元以来、注釈の基礎となったものは、宋の大学者である朱子の四書章句集注である。本巻には、幕末の学者として知られた安井息軒の名著である論語集説に、未刊の大学説・中庸説・孟子定本を加えたもので、新古両注の全文または要旨を合わせ収めた、便利の書。

第2巻 箋解古文真宝(後集) 増註三体詩 箋註唐詩選

せんかいこ ぶん しんぽう

ぞうちゅうさんたいし

せんちゅうとうしせん

ISBN

978-572-00064-4

1096ページ

定価

(本体価格9223円+税)

古文真宝は俗書といわれ、そのテキストはもとより、所収の詩文の作者についても真を伝えないという通評があるが、かの国においては元から明の中期まで広く行われ、わが国においても、五山文学時代から江戸時代まではもちろん、今日でも教科書として使われている書物である。もと前後集に分かれ、前集は古体詩、後集は新古体の文(辞賦を含む)を掲載しているが、前集に近体詩を収めないため、後集のみが特に流行し、わが学者文人の常に引用するところとなっている。本巻には、そのもっとも流布している箋解本を収録。

三体詩は七言絶句・五七言律詩の唐詩の三体を収録しているため、室町時代以来、古文真宝前集に代わってわが国に流行し、江戸前期に及んだ。六体を収めた唐詩選にその地位を奪われても、なお俳人その他の間に広く読まれた。

唐詩選もまた明末の俗書であるという評も多いが、とにかく明末に流伝し、ことにわが国においては江戸時代の漢学の大家であった服部南郭が本書を校刊してから、五言・七言にわたる、古詩・律詩・絶句の各体の詩にわたって唐代の詩を選集しているため、漢詩の各体をすべて録した便利な書物として民間に流行し、江戸・明治・大正の三代にわたって、唐詩を口にするものの基礎知識を成した書物。テキストは戸崎允明の箋註本によった。

第3巻・第4巻 唐宗八家文(上)(下)

とうそう   はっかぶん

ISBN

978-572-00065-1

746ページ

定価

(本体価格9223円+税)

ISBN

978-572-00066-8

818ページ

定価

(本体価格9223円+税)

唐宋八大家とは、唐の韓愈・柳宗元、宋の欧陽修・蘇洵(老泉)・蘇軾(東坡)・蘇轍(穎浜)・曾鞏・王安石の8人の古文作家をいい、明の芳坤の唐宋八大家文鈔の編修をもって世に広まった。清の沈徳潜は、これを改編して、この唐宋八大家文読本としたが、わが国では、幕末から明治前半にかけて大いに流行し、頼山陽の増評本をはじめ、多くの評注本が出版された。本巻には、二松学舎に伝わった三島中州の分段加評本が収められて、世に公刊されたのである。巻首に、児島献吉郎の八大家各人の略伝および、冨山房編集部の新編にかかる各家別の系図と略年譜とが掲載されているのも、利用者に便利である。

第5巻 十八史略 附十八史略年表  小學箋註   御註孝経  弟子職

じゅうはっしりゃく

しょうがくせんちゅう

ぎょちゅうこうきょう

ていししょく

ISBN

978-572-00067-5

1082ページ

定価

(本体価格9223円+税)

十八史略は元の曾先之という人が、史記から五代史に至る正史および、当時正史がまだ作られていなかった南北両宋の史書から、古今十八代の史実の要を選録したもので、古来の伝説史伝の概略を知るのに便利であるというので、明の中ごろまでかの国では流行、これを輸入したわが国では、室町時代以来広く読まれ、とくに明治初年には大いに流行し、昭和の初期に及んだもの。テキストは通行本により、さらに年表70ページを付録とした。小学とは大学に対する称で、初学者は入学のはじめ、礼儀作法と読書に基礎としての文字学を教えられた。そこで、後世、漢字漢語に関する学問を小学とよぶようになったが、本書は宋の大学者の朱子が、修身就学の大綱ともなるべき文献を選録し、先賢の

言行を記述した書で、わが国では、明治・大正のころ、学校の修身科の教材として利用されたものである。清の高愈の纂注本による。

孝経は、孔孟の学説の出発点ともいうべき孝道を述べた古書で、古くは孔門の曾子の作と伝えられていたが、おそらく孔孟の学が確立したころ、その学派の人が作りあげた孝道の説明書であろうといわれている。わが国では、王朝時代から論語とともにもっとも広く行なわれ、注解もはなはだ多い。

弟子職はもと菅子(巻21に収めた)の1編で、弟子の師に対する礼の要を述べたもの、明治以来ときに、親に対する礼を説いた孝経に付して摘出刊行されたもの。

第6巻・第7巻 史記列伝(上)(下) 附 史記年表

し   き  れつでん

ISBN

978-572-00068-2

748ページ

定価

(本体価格9223円+税)

ISBN

978-572-00069-9

886ページ

定価

(本体価格9223円+税)

史記は、太古から漢の武帝に至る間の、今日からいえば伝説をまぜた歴史の書で、武帝のときの司馬遷が、当時伝わった多くの史料を基に、取捨選択してこれをまとめたものであり、正史(二十四史ないし二十五史)の最初の史書として、本紀・列伝を主に、表・書(のちの書では志)を従にした紀伝体という史書の編修体裁をも作り上げた名著である。

史記の内容は、世襲の春秋戦国および漢初の諸侯をも収めたので、さらに世家という一類も設けられた。今、本叢書に収めるにあたって、全巻があまねく読まれたとはいえ、あまりに量が多いため、中でもっとも広く読まれてきた列伝のみを、評林本によって収載し、清代の著書を参考校訂を加えた。史記の文章は叙事体古文の範ともいわれる。

第8巻 韓非子翼毳

かん  ぴ    し  よくぜい

ISBN

978-572-00070-5

842ページ

定価

(本体価格9223円+税)

韓非子は、いわゆる法家の学説を集大成した、韓非子の学説をしるした古書である。かれは、言行一致、信賞必罰などを力説した人で、今日の世相の盲点をもついている論説をも含む。古いテキストの伝来がまれであるが、一方、江戸時代の漢学者は、儒教(孔孟の教え)に欠けている執政の要道を含んでいるためか、本書を愛読したものが多く、注解は清人にまさるものがある。本巻には、出版当時、流伝の木活を買い、一家総動員のもとにこれを補って、わずか20部を印行したと伝えられる。福山藩の名儒太田全斎の注釈書を翻印して、長年にわたる学界渇望の書を内外に提供したという快挙のあとがしのばれる。

第9巻 老子翼 荘子翼

ろう  し  よく

そう  じ  よく

ISBN

978-572-00071-2

970ページ

定価

(本体価格9223円+税)

老荘の教えは道化の学として、孔孟の教えである儒家の学に対し隣邦古今の二大思想潮流一を成すもので、天子政客に有利な儒家に対する民間大衆に有利な道家であることはもとより、あらゆる点について、両者たがいに利害を異にするものである。中にも、あるいは実在しない神秘的な人物とまでいわれる老子の学説には、深遠な哲理をも含んでいる。わが国では、上代の思想文学に、この老荘思想の影響がかなり濃いが、儒家思想一点張りであるといわれる江戸時代に、老荘、とくに老子に関する注解書が続出したことは特筆すべきであろう。本巻には、江戸時代に出版されたことのある明の焦竑の老荘翼を翻印した。

第10巻・第11巻 春秋左氏会箋(上)(下)

しゅんじゅうさしかいせん

(10巻)

ISBN

978-572-00072-9

1,066ページ

定価

(本体価格9500円+税)

(11巻)

ISBN

978-572-00073-6

1,130ページ

定価

(本体価格9223円+税)

左氏会箋とは、春秋の歴史を、その列国の一である魯の国を軸としてまとめた春秋という書の簡略な史実を補って拡大し、これを南北の二大国である晉楚の両国の争いにまで発展させた、戦争文学の傑作ともいわれる春秋左氏伝(略して左伝または左史)の注釈で、明治の漢学者で、外交官としても知られた竹添井々の名著である。春秋の経文と左伝とは、古くは別に伝わったが、晉の杜預

がはじめて経と伝とを集めて、これを解した。これが杜預の注を春秋経伝集解とよぶ理由である。杜注は広く彼我に行なわれ、たびたび出版されたが、会箋は金沢文庫旧蔵の杜注の古写本を底本に、清代諸家の説を集大成したもの。底本の奥書の誤植は、今回の覆製で訂正し、原本の真を伝えることにした。

第12巻 毛詩(詩経) 尚書(書経)

もう し

しょうしょ

ISBN

978-572-00074-3

1,054ページ

定価

(本体価格9223円+税)

毛詩(詩経)と尚書(書経)とは古くから「詩書は義の府」と併称された儒家の経典、ともに五経の中にはいる。前者は上古の名もなき詩人の作を集め、後者は上代の伝説史実をその当時あるいは後代に記録したものがその本質である。およそ四書五経には、漢唐から宋初にかけての、狭義の漢学者の、語義を解いた古注と、宋元の宋学者の教義を加えた新注と二派の注釈が、後世注解の主流となっているが、多くは、新古注のいずれかを録して他を略している。しかるに本巻は、この二経の新古両注の全文を合わせて収録した画期的な作業を行なったもので、公刊以来、学者に喜ばれてきたのも、そこに原因がある。

第13巻 列子 七書

れっし

しちしょ

ISBN

978-572-00075-0

970ページ

定価

(本体価格9500円+税)

列子は、老荘の間の人であったといわれ、列禦寇という学者の言行をしるした書物であるといわれている。道徳経(老子)・南華真経(荘子)に対しては沖虚真経という別名がある。通行本にある晉の張湛注本を採り、諸葛晃(姫路藩儒)の列子考という未刊本を挿入。七書とは古来の七部の兵法書を合わせていったもので、宗以降、その順に異同はあっても、孫子・呉子・司馬法・尉繚子・季衞生公問対・黄石公三略・六韜を七書とよぶ。七部の中の一、二部が別に出版され、注解されたこともあるが、この巻は、合刊本によらず、孫子は十家註本をとり、他の六部は明の劉寅の直解本によった。

第14巻 墨子間詁

ぼくし  かん こ

ISBN

978-572-00076-7

1,018ページ

定価

(本体価格9223円+税)

墨子は、老荘思想のような、儒家に正反対する教えをとらず、儒家の教理によ

る大衆の困却する点のみを改めた、儒家にとっては、似て非なる異端であった。兼愛を説き、戦争に反対し、礼法の繁を除くことなどを述べた学説は漢初に大流行をしていたので、国教と認められた儒教の学者は、墨子の学説を弾圧したため、そのテキストも学派内諸家のものが混乱入りまじり、重複誤脱が少なくない。清末に孫詒譲が墨子間詁を著し、わずかにその難解の点の一部を説いたが、本巻には、この書のほか、邦儒戸崎允明(淡園)の未刊の書墨子考の注語を各所に挿入した。小柳司気太の解題は、墨子の学説を詳しく述べている。

第15巻 荀子

じゅんし

ISBN

978-572-00077-4

902ページ

定価

(本体価格9223円+税)

荀子とは、孔孟の学を受けた、戦国末の学者荀況の言行を収録した古書である。昔から、孟子の性善説に対して、人間の本性は悪であるから教育の必要があるという性悪説の論者として知られ、正統の儒者としては認められないが、対人的礼法に発し、儀式に発展した礼を、社会の秩序のもととなる制度にまでさらに発展させたのもかれであるといわれる。書中、故事成語のもととなったものも多い。本巻には、旧注である唐の楊倞の注のほか、清末の王先謙の集解、わが久保愛の増注、豬飼敬所の増注を各句ごとにまとめてあるので、利用する人には便利である。さらに、巻首に、集解本の巻首の内容を全録してある。

第16巻 周易 伝習録

しゅうえき

でんしゅうろく

ISBN

978-572-00078-1

1,004ページ

定価

(本体価格9223円+税)

周易(易経)はもと占いの古書であった。それを儒家が取り上げて、哲理を加えてこれを説き、自家の経典とした。したがって、本書の古来の注解には、この二つの見方がある。本巻のテキストは、魏の王弼、晉の韓康伯の二家によって完成された、いわゆる古注に、わが京都の大儒伊藤東涯が注を加えた周易経翼通解によった。伝習録は古く中江藤樹によって学界に伝えられ、新しく三島由紀夫によって一躍一般に知られた、陽明学の始祖、明の大儒王陽明の言行録である。陽明はもともと実践道徳に発した儒学が、中ごろ経典の注釈、教理の解明にのみ走ったのを是正し、みずから言行一致を行なった人であった。

らい き    らい  き  ず

第17巻 礼記 礼器図

ISBN

978-572-00079-8

958ページ

定価

(本体価格9223円+税)

礼記とは、儒怪の尊重する礼に関する諸雑記を集めて一書にしたもので、戴聖(戴徳を大載とよぶのに対し小戴という)が選録したものであるとて、小戴礼記ともよばれる。とにかく、伝存の文献を集めたため、正統の儒家以外、他派に及ぶ文献までも収入してあるので、内容の範囲は、他経に比してはるかに広い。本書にも新古の二注があるが、礼には服装器物の解明が必要なことはいう

までもないので、語解中心の古注(後漢末の大儒鄭玄の注、いわゆる古注)のみを採録して、ページがいたずらに増すのを防いだ。その代わり、清朝天子の

勅命によってできた礼記の注である、礼記義疏の付録となっている礼器図五巻をさし絵のまま加え、図解とした。

ぶんしょうきはん

こ     し しょうせき

第18巻 文章軌範 古詩賞析

ISBN

978-572-00080-4

1,092ページ

定価

(本体価格9223円+税)

文章軌範は、宋末の謝畳山が選んだ唐宋古文の模範文で、出師表・帰去来辞などの前代のものを含んでいる。もと、官吏登用試験の受験生のために編んだものであるといわれるが、テキストは古文真宝よりはるかによい。編者が忠臣であったというところから、幕末に急に愛読されるようになり、明治に及んだ。テキストは海保漁村の補注本。古詩賞析は清人が編録した、上古から隋に至る詩の選集で、もとより信用できないものもあるが、とにかく便利な書物で、しかも、わが国では、この大系によってはじめて刊行されたもの、岡田正之の解説も要をえている。

第19巻 戦国策正解

せんごくさくせいかい

ISBN

978-572-00081-1

1,092ページ

定価

(本体価格9223円+税)

戦国策は、前漢末の学者の劉向が編んだ古書で、内容は、戦国時代の史書とはいわれるが、当時、西方の大国の秦国に対して、東方の六国は自衛の手段として、秦と横に連合するか、六国が縦に連合するか二法のいずれかを選ばなければならない運命にあった。張儀は前者である連衡(横)論者、蘇秦は後者である合従(縦)論者の代表者であった。本書はこの両人をはじめ、口舌をもって諸侯に説きながら自己宣伝をした論客の発言を中心に描かれたもので、読んで非常におもしろいもの。本書についても、江戸時代に、清人にまさる多数の注釈書が編刊されたが、その中で最も流伝している横田惟孝の正解に、未刊の安井息軒の補正をはさんだもの。

 え  なん  じ

こう   し   け   ご

第20巻 淮南子 孔子家語

ISBN

978-572-00082-2

1,162ページ

定価

(本体価格9500円+税)

淮南子は漢の淮南王の劉安(漢帝の一族)が、幕下によって集められた多方面の文献を一書にまとめさせたもの。内容はすこぶる多方面にわたり、自然科学的記述もある。本書のテキストは、宇野東山が、片山兼山の校訂本によって重校、標注を加えたものを底本とし、さらに諸家のテキストを参考にして成したもの。かな交じりの頭注にもさらに清儒の説を加えている。孔子家語は、漢末の鄭玄に対して、ことごとにことさら反対説を唱えた魏の王粛が、自説の根拠として引きたいために偽作した書物であるといわれる。このテキストは王の自主本に明の何孟春の補注を加えたもので、両本の順序の異同はこれを標記した。

第21巻 管子纂詁 晏子春秋

かん し   さん こ

あんししゅんじゅう

ISBN

978-572-00083-5

1,152ページ

定価

(本体価格9223円+税)

管子とは、春秋時代の斉の桓公を助けた大政治家である管仲の学説を録したもの。もとより自著ではなかろう。かれは学者よりも実際政治家であるが、後世法家の学派始祖とされている。本書は安井息軒の管子纂詁をもって標されているが、流伝の諸本をもって校訂し、かな交じりの頭注また和漢諸家の説の結論をもあわせしるしている。晏子春秋は管仲よりはるかに後の晏嬰の言行を録したもので、テキストは諸本によって校訂した本文のみを採り、かな交じりの頭注は、清儒を主とし、邦人をまじえて、諸家の説を参考して作成したものである。

第22巻 楚辞 近思録

そ   じ

きん し ろく

ISBN

978-572-00084-2

988ページ

定価

(本体価格9223円+税)

春秋時代から存続した、揚子江流域の大国であった楚国の大官で、合従論を採った屈原が、みずから北方の大国斉へ同盟を求めに行ったすきに、秦からつかわされた連衝論者の張儀の言に迷わされた楚の君臣によって排斥され、流浪の旅に上ったという、前後の作品を中心に、他の模ほう作をまとめた書が楚辞で、前漢末劉向の編という。このテキストは朱注本を主に、古い王逸の注、新しい岡松甕谷の楚辞考を加えたもの。近思録は、宋の朱子および呂東萊によってまとめられた宋学の諸説をしるしたもの。テキストは明代、江戸時代を通じて流行した宋の葉采集解による。

各巻の索引について

本書全22巻(38書)中の主要な語・熟語・成句などを選び、音訓に従ってこれを50音順(歴史かなづかい)に配列し、同音訓の語は、字画の少ない語から次第に多きにおよぼして、その検索に便ならしめた。索引は、この「音訓索引」のほかに、さらに「字画索引」をも設けた。「字画索引」は、音訓索引語句の所在を、頭字の字画によって検索するためのもので、総画数順にこれを配列した。この「字画索引」と「音訓索引」並びにその凡例を各巻別に編集して、各巻末に付載した。各巻索引を総合すると、通巻2004ページになる。

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