舞台は架空の時代のイギリス。ロンドンから遠く離れたここウィロビー高原には、腹をすかせたオオカミがうろつきまわっている。ある日、高原にぽつんと建つ広大な屋敷ウィロビー・チェースに、住みこみの家庭教師が現れた……。

絵を学ぶためにロンドンにやってきたサイモン。なんと下宿先の主人トワイト夫妻は、王様を亡き者にしようと陰謀ををくわだてるハノーバー党の一味だった。悪だくみを知ったサイモンは、トワイト夫妻の娘ダイドーと、幼なじみのソフィーらとともに、知恵と勇気で立ち向かう。

サイモンとダイドーは、ハノーバー党の一味によって誘拐され、難破船から海に投げ出されてしまった。サイモンは助けられたものの、ダイドーは漂流し、捕鯨船に救助される。

成長したダイドーはバタシー公爵となったサイモンと再会。喜びもつかの間、またもや父が仕える辺境伯の悪だくみに巻きこまれていきます。トンネルの開通式に仕組まれた計画とは？果たして王の運命は？胸躍る歴史冒険物語。

ロンドンの街から、ひとり、またひとりと、子どもたちが消えてゆく……。なんとリチャード王の王子までもが行方不明に。じぶんのいとこと王子を探しに、ダイドーの妹イスは、ひとり「黄金王」の支配する『北の国』へと旅立った。

『北の国』の黄金王から子どもたちを救い出したイスは、いとこのアランと黒ダイヤ号に乗り、故郷をめざす。そんなふたりを待ち受けていたのは、なぞの密輸団「陽気な紳士たち」。あやしい人物がつぎつぎとあらわれるなか、姿を消したアランの母親の行方を追って、ふたりはなぞの糸をたぐり始めるのだが……。